「百年と希望」
西原孝至監督にインタビュー
2022年7月2日から大阪・九条のシネ・ヌーヴォ
7月8日から京都みなみ会館
7月16日から大阪第七芸術劇場
ドキュメンタリー作家の西原孝至監督(39)が撮った新作「百年と希望」(ML9配給)。障害者の日常を追った「もうろうにいきる」(2017年)、生きづらい時代の女性達に目を向けた「シスターフッド」(19年)など社会派の西原監督が、今年7月15日に創立百周年を迎える日本共産党について考察した政治ドキュメント。「このままでいいのか」という問いが投げかけられている。
西原監督が日本共産党に興味を持ったのは自作「わたしの自由について~SEALDs2015~」(16年)で「国会義堂前で当時の安部首相が決めた集団的自衛権を認める国際平和支援法案に対して抗議するシールズの若者たちを撮影している時に出会った人たちとのつながりから。その後共産党が今年百周年を迎えることを聞き、日本で一番古い政党を、党外の人間の目で探ってみたいと思って映画化を考えた」
撮影はコロナ禍の昨年で夏の東京都議会議員選挙、秋の衆議院総選挙に共産党から出馬した池内さおりさんと池川友一さんの選挙戦を追う。「前者は落選し、後者は当選。2人が訴えたテーマはジェンダー問題や理不尽な学校校則の撤廃など、人々が生活の中で『身近で困っている』ことだった。結果的に党として伸びることはなかったがその戦い方に問題はなかったか。今の共産党はどう受け止められているか。それを考えたかった」
機関紙「しんぶん赤旗」編集部の人たち、19歳で入党し一般企業を定年で辞め田舎に帰り農業をしている老人、あるいは日本民主青年同盟でオーガナイザー務める若い女性などが「今の党の現状」を語る。「百年の歴史は重いし、古くもある。現状を変えるにはどうしたらいいか。そこに希望があるはずで、少なからず、日本全体の政治と同時に、このままでいいのかということを党内外の人が考える機会になればいいと思いながら映画を作った」
西原監督は富山県出身。早大大学院中退、映画美学校ドキュメンタリー高等科卒。次作は劇映画で日本のジャーナリズムのあり方をテーマに作りたいと脚本を練っている。
映画『百年と希望』公式サイト (100nentokibou.com)